養育費

夫婦は離婚すれば他人ですが、親子は一生、関係がなくなることはありません。親は子供を一人前に育てる養育義務があります。子供が成人するまでに必要な費用の経済的負担をするのが養育費です。この養育費は、両親の各自の資力及びその他の事情も勘案した上で、相互に負担する額が決まります。養育費の分担によって実現されるべき子供の生活水準は両親と同程度のものであることが必要です。養育費は本来子供に対して支払われるべき金銭であり、財産分与や慰謝料とは別個の性格を持つものです。
離婚の際、夫婦間で養育費を請求しない旨の合意をしていたとしても、未成熟の子に対する扶養義務は消滅しません。このような場合も後の事情の変更により養育費を請求することができます。以下、養育費の算定基準等を参考までに挙げておきます。

養育費の算定基準

標準的算定方式及び算定表

標準算定方式とは、従前からの家庭裁判所における実務の基本的な考え方に基づいて養育費を簡易迅速に算定するためのもので、算定表とは、これに基づいて作成された養育費の早見表のことをいいます。この標準的算定方式及び算定表は、厚生労働省が母子家庭の母に対する相談業務等において用いるよう通知を出しており、裁判所の内外を問わず広く活用されています。

養育費算定の手順

養育費は、1~3の手順で算定します。

  1. 義務者及び権利者それぞれの基礎収入を認定
  2. 父母双方に子の生活保持義務があるとの前提で、子が義務者と同居していると仮定した場合の子の生活費を算定
  3. 子の生活費は、父母それぞれが負担能力に応じて分担すべきであるとの前提で、義務者及び権利者の基礎収入の割合で按分し義務者が支払うべき養育費の額を算定。


    養育費算定表